スキーやスノーボードの初心者にとって、最も緊張する瞬間の一つが「リフトの降車」ではないでしょうか。「もし降り損ねてしまったら、そのまま反対側まで運ばれて宙吊りになってしまうのでは?」という不安を抱く方も少なくありません。
結論から申し上げますと、現在のスキー場では高度な安全装置とスタッフの監視体制が整っているため、漫画のようにそのまま反対側へ回って宙吊りになるというケースはまずありません。
この記事では、リフトで降り損ねた際に何が起きるのか、どのような安全装置が働いているのか、そして万が一の時の対処法について詳しく解説します。
リフトの降り場付近には、初心者が不安に思う「宙吊り」を防ぐための何重もの対策が施されています。
リフトの降車地点を過ぎた場所には、必ず「自動停止センサー」が設置されています。これは、リフトの椅子が一定のラインを越えて進んでしまった場合、自動的に非常ブレーキがかかる仕組みです。人が乗ったまま降車地点を通過しようとすると、センサーが反応してリフト全体が即座に停止します。
リフトの乗り場と降り場には、必ず専任のスタッフが常駐し、乗客の動きを注視しています。「あ、降りられそうにないな」とスタッフが判断した瞬間に、手元のスイッチでリフトを停止または減速させます。機械だけに頼らず、人の目でも安全を確認しているのです。
リフトの降り場は、万が一降り損ねてもすぐに地面(雪面)に足がつくような構造になっています。また、降車地点のすぐ先には安全ネットが張られていることも多く、物理的に「何もない空間へ放り出される」ことはありません。
もしあなたがリフトで降り損ねてしまった場合、現場では以下のような流れで対応が行われます。
センサーやスタッフの操作により、リフトが「ガタン」という衝撃とともに止まります。この際、揺れが発生するので、座席の横にある手すりをしっかり掴んでおきましょう。
停止後、すぐにスタッフが駆け寄ってきます。リフトが止まっている状態ですので、落ち着いてスタッフの指示に従ってください。
足が届く範囲であればそのまま雪面に降りるよう促されますし、少し高さがある場合はスタッフが補助に入ります。安全に降りられたことを確認してから、リフトが再稼働します。
恥ずかしいと感じるかもしれませんが、初心者にとってリフトの降り損ねは「よくあること」です。スタッフも慣れていますので、パニックにならずに指示を待つことが重要です。
基本的には安全ですが、極稀にニュースなどで報じられる「宙吊り」事故には共通の原因があります。それは「衣類や荷物の引っ掛かり」です。
これらの場合、リフトから降りようとした瞬間に体が椅子に固定されてしまい、リフトが動き続けることで宙吊りのような状態になってしまいます。これを防ぐためには、「リュックは前に抱えて乗る」「ウェアの紐をまとめ、引っ掛かりそうなものを放置しない」という自己防衛が不可欠です。
降り損ねる不安を解消するには、正しい降り方を身につけるのが一番の近道です。
降り場が近づいてきたら、板の先端(トップ)が雪面に刺さらないよう、少し持ち上げる意識を持ちましょう。
「バーを上げてください」という看板が見えたら、同乗者に声をかけてバーを上げます。この際、準備が早すぎると落下の危険があるため、指定の場所を守りましょう。
足が雪面にしっかりと着いたら、リフトの勢いを利用してスッと立ち上がります。無理に自力で蹴るのではなく、椅子に後ろから優しく押してもらうようなイメージを持つとスムーズです。
足元を見すぎるとバランスを崩します。視線を進行方向の少し先に向けることで、平衡感覚が保たれ、転倒しにくくなります。
スキー場のリフトは、初心者でも安全に利用できるように設計されています。降り損ねたからといって、そのまま空高く運ばれてしまうようなことはありません。
もし失敗しても、リフトは止まります。大切なのは、引っ掛かりの原因になる荷物に注意することと、万が一の時はスタッフの指示を待つという心の余裕です。リフトの不安を解消して、真っ白なゲレンデを満喫しましょう!