フィギュアスケート・ペアの「りくりゅう」こと三浦璃来選手と木原龍一選手。2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪での熱戦も記憶に新しく、その絆の深さと圧倒的なパフォーマンスは世界中を魅了し続けています。
しかし、ファンの間では長年、木原龍一選手の「目」について気にする声が上がることがあります。「木原選手(りく君ではなく龍一君)は斜視ではないか?」「なぜ手術をして治療しないのか?」「大人になってからではもう治らないのか?」といった疑問です。
本記事では、プロのファクトチェッカーの視点から、2026年2月現在の最新情報を踏まえ、斜視の治療に関する医学的知見と、トップアスリートである木原選手が置かれている現状について詳しく解説します。
1. そもそも「りく君」ではなく「龍一君」?ファンの間の混同を整理
まず、質問者様が仰る「りく君」についてですが、ペアの名称が「りくりゅう」であるため混同されがちですが、三浦璃来(みうら りく)選手が女性、木原龍一(きはら りゅういち)選手が男性です。斜視について話題に上がるのは、男性パートナーの木原龍一選手の方ですね。
木原選手について、公式に「斜視である」という具体的な病名や診断結果が公表されたことは一度もありません。しかし、インタビュー映像や演技中の表情から、左右の視線がわずかに外側にずれる「外斜視」の傾向があるのではないかと推測するファンが多いのは事実です。
2. なぜ治療(手術)をしないのか?考えられる3つの理由
もし木原選手が斜視であったとしても、なぜ手術を選択しないのでしょうか。そこには、一般人とは異なる「トップアスリートならではの切実な理由」が考えられます。
① 距離感(深視力)の変化への懸念
ペアのフィギュアスケートにおいて、男性の役割は極めて重要かつ危険を伴います。スロージャンプでの放り投げ、頭上高く掲げるリフト、そしてキャッチ。これらすべての動作には、ミリ単位の正確な「距離感(深視力)」が必要です。
斜視の手術は、見た目を整えるだけでなく、両目の視線を合わせることで立体視を改善する目的で行われます。しかし、長年今の状態の視覚で世界を認識し、世界王者にまで登り詰めた木原選手にとって、手術によって「見え方」が変わることは、むしろパフォーマンスを低下させるリスクになります。急激な視覚の変化は、脳が距離感を再認識するまでに時間がかかり、最悪の場合、パートナーを危険にさらす可能性さえあるのです。
② 身体への負担と練習時間の確保
木原選手はこれまで、腰の負傷(腰椎分離症)や激しい喘息など、多くの怪我や病気と戦ってきました。特に2023-2024シーズンから2025年にかけては、満身創痍の中でミラノ五輪を目指していました。
斜視の手術自体はそれほど長時間のものではありませんが、術後の安静期間や、変化した視覚に体を慣らすトレーニング期間を考慮すると、五輪サイクルの貴重な練習時間を割くことは、アスリートとして優先順位が低かったと考えられます。機能的に私生活や競技に支障がないのであれば、あえてメスを入れる必要はないという判断です。
③ 「間欠性外斜視」の可能性
木原選手の視線は、常にずれているわけではありません。疲労が溜まっている時や、ぼーっとしている時、あるいは特定の焦点を見ている時にだけ目立つことがあります。これは「間欠性外斜視」と呼ばれるもので、日本人の多くに見られる症状です。
この場合、普段は自分の意思で視線を合わせることが可能であり、日常生活や激しい競技中にも脳が適切に視覚情報を処理しているため、医学的にも「必ずしも手術が必要ではない」とされるケースが多いのです。
3. 大人の斜視は「手遅れ」で治らないというのは誤解!
質問者様が懸念されている「大人は手遅れなのか」という点についてですが、結論から申し上げますと、現代の医学において大人の斜視手術は「手遅れ」ではありません。
子供の頃に手術をする理由
子供(特に8歳くらいまで)のうちに手術を推奨するのは、「弱視」を防ぐためです。子供の時期に目がずれていると、脳が片方の目の情報を使わなくなり、視力そのものが発達しなくなってしまいます。これを防ぎ、両目で見る能力(両眼視機能)を育てるために、早期治療が重視されます。
大人になってからの手術の目的
一方で、大人になってからの手術も非常に一般的です。主な目的は以下の2点です。
- 外見の改善(審美的な理由): 視線のずれを治すことで、対人関係での自信を取り戻す。
- 眼精疲労や複視の解消: 物が二重に見える(複視)ことによる疲れ目や頭痛を軽減する。
最新の2026年時点の眼科医療でも、局所麻酔による日帰り、あるいは短期間の入院での斜視手術は確立されており、高齢になってから手術を受ける方も増えています。したがって、木原選手が「治したくても治せない年齢だから放置している」ということはまずあり得ません。
4. 2026年現在の「りくりゅう」の状況と決断
2026年2月のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪において、三浦・木原ペアは驚異的な演技を見せました。30代半ばに差し掛かる木原選手ですが、その眼光は鋭く、パートナーを支える力強いキャッチに迷いは一切見られませんでした。
彼らにとって、外見的な「視線の正しさ」よりも、「パートナーを安全に持ち上げ、共に滑り切るための感覚」の方が圧倒的に価値が高いことは明白です。また、木原選手自身のSNSやインタビューでも、自身の目についてコンプレックスとして語る様子はなく、むしろありのままの自分を受け入れ、競技に邁進するプロフェッショナルな姿勢が印象的です。
5. まとめ:治療しないのは「不自由がない」ことの証
最後に、質問者様の疑問に対する答えをまとめます。
- なぜ治療しないのか?: 競技における距離感の変化を避けるため、および現状のままで世界トップレベルのパフォーマンスを発揮できている(支障がない)ためと考えられます。
- 子供のうちにするものではないのか?: 視力発達を促すためには子供のうちがベストですが、大人でも治療は可能です。
- 大人は手遅れなのか?: 全く手遅れではありません。現在は大人向けの手術も一般的ですが、木原選手の場合は「必要がない」という選択をしていると言えます。
木原龍一選手が斜視の有無に関わらず、氷上で見せるあの力強い眼差しと、三浦選手を見つめる優しい表情こそが、彼の真実です。外見的な些細な特徴よりも、彼らが築き上げてきた技術と信頼関係、そして日本フィギュア界に残した偉大な足跡に注目していきたいですね。
今後もりくりゅうペアの活躍を応援していきましょう。
※本記事は2026年2月19日現在の情報を基に執筆されています。特定の個人に対する医療診断を断定するものではありません。



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