2026年4月現在、インターネット上やSNSで「自動車税が廃止される」という趣旨の記事が散見されます。毎年4月から5月にかけて、多くのドライバーが数万円単位の納税通知書を受け取る時期であるため、こうした情報は非常に大きな関心を集めます。特に、毎年4万円前後の納税を続けてきた方にとって、その負担がゼロになるのか、あるいは別の形に変わるのかは死活問題と言えるでしょう。
しかし、結論から申し上げますと、2026年現在、自動車税(種別割)が完全に廃止され、所有者の税負担が消滅するという事実は確認されていません。プロのファクトチェッカーとして、この情報の真偽と、なぜ「廃止」という言葉が一人歩きしているのか、そして今後の負担額がどうなるのかを詳しく解説します。
「自動車税が廃止される」という情報の多くは、制度の完全な撤廃を指すものではなく、「税体系の抜本的な見直し」や「既存の税目の統合」に関する議論が誤解されたもの、あるいは読者の興味を引くための誇大広告(クリックベイト)である可能性が極めて高いです。
政府内では、以前から自動車重量税、環境性能割、そして自動車税(種別割)といった複雑な自動車関連税制を一本化、あるいは簡素化しようという議論が行われています。この「複雑な税目を整理して今の形をなくす(=今の制度を廃止する)」という文脈が、単に「税金がなくなる」という誤った解釈で伝わってしまったと考えられます。
2026年時点でも、カーボンニュートラルの実現に向けたEVへの乗り換え促進は続いています。EVの場合、一定期間の自動車税が減免される「グリーン化特例」などが適用されます。こうした特定の車種に対する免税措置を「自動車税の廃止」と混同して報じているケースも見受けられます。
ご質問者様が「毎年4万ちょっと」払っているとのことですが、これは排気量1,500cc超〜2,000cc以下の自家用乗用車に該当するケースが一般的です。2019年10月以降に初回新規登録された車両であれば36,000円、それ以前の車両であれば39,500円となります。ここに、13年経過による重課などが加わると45,400円程度になります。
現時点では、2026年度の自動車税も例年通り課税されます。したがって、これまで通り4万円前後の通知が届くことになります。制度が廃止されていない以上、勝手に金額が下がることはありません。
「自動車税廃止」の裏で議論されているのが「走行距離課税」の導入です。これは、排気量に応じて課税する現在の仕組みから、道路を走った距離に応じて課税する仕組みへの転換です。もしこれが将来的に導入されれば、現在の自動車税(種別割)は「廃止」されることになりますが、代わりに走った分だけ税金を払うことになります。年間走行距離が多い方の場合、従来の4万円よりも負担が増える可能性も否定できません。ただし、2026年4月時点で、この走行距離課税が全国的に一律導入され、従来の自動車税が即座に撤廃されるという決定はなされていません。
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税制の変更は必ず財務省や総務省、あるいは各自治体の税務局から公式な発表があります。「関係者の話」や「SNSで話題」といった情報源のみに基づいた記事は、憶測の域を出ないものがほとんどです。
本当に廃止されるのであれば、地方税法の改正が必要です。何年何月の国会で成立したどの法律によるものなのかが書かれていない情報は、信頼性に欠けます。
自動車税は地方自治体にとって非常に重要な財源です。これを単に「廃止」して収入をゼロにすることは現実的に不可能です。廃止とセットで「どのような新税が導入されるか」という記述がない記事は、信憑性が低いと判断すべきです。
現時点での状況を整理します。
したがって、5月に届く納税通知書に備えて、例年通り資金を準備しておくことを強くお勧めします。もし「廃止」を謳う記事が特定の怪しいサイトへの誘導や、個人情報の入力を求めるものであれば、詐欺の可能性も考慮し、十分に警戒してください。
今後の動向として注意しておくべきは、2026年末に発表される「令和9年度税制改正大綱」です。ここで翌年以降の具体的な税制方針が示されます。もし本当に大きな制度変更がある場合は、新聞の主要紙やNHKなどの公共放送で大きく取り上げられるはずです。それまでは、断片的な「廃止」という言葉に惑わされないことが重要です。
詳細な税額や減免措置について知りたい場合は、お住まいの地域の都税事務所や県税事務所の公式サイトを確認するのが最も確実な方法です。