現在、2026年4月19日を迎え、メジャーリーグベースボール(MLB)のシーズンも本格化しています。ロサンゼルス・ドジャースで不動の主力として活躍を続ける大谷翔平選手の一挙手一投足には、常に世界中のファンから熱い視線が注がれています。特に記録に関する関心は高く、連日メディアやSNSでは様々なデータが飛び交っています。
その中で、ファンから頻繁に寄せられる疑問の一つが「エラー(失策)で出塁した場合、連続試合出塁記録は継続されるのか?」という点です。野球のルール、特に公式記録の付け方は非常に細かく定義されており、一見「塁に出た」という事実だけで判断してしまいがちですが、統計上の「出塁」には厳格な基準が存在します。
本記事では、プロのファクトチェッカーの視点から、MLBの公認野球規則に基づき、エラー出塁と連続試合出塁記録の関係について、読者の皆様が抱く疑問を網羅的に解消していきます。
まず、最も重要な結論からお伝えします。メジャーリーグの公式ルールにおいて、「相手の失策(エラー)によって一塁に到達した場合、それは出塁とはみなされず、連続試合出塁記録は途切れる」というのが正解です。
これは意外に思われるかもしれませんが、野球の公式記録における「出塁(On-Base)」の定義は、打者の能力によって主体的に得たものに限定されています。具体的に、連続試合出塁記録を継続させるために必要な要素は以下の3点のみです。
1. 安打(ヒット)
2. 四球(フォアボール)
3. 死球(デッドボール)
これら以外の理由、例えば相手の送球ミスや捕球ミス(エラー)、野手選択(フィルダースチョイス)、打撃妨害、走塁妨害などで一塁に生きたとしても、統計上の「出塁」とはカウントされません。したがって、その試合で他に安打、四球、死球が一度もなければ、たとえエラーで何度も出塁していたとしても、記録上は「連続試合出塁が途切れた」と判定されます。
このルールの背景には、野球というスポーツの「記録の公平性」という考え方があります。
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🛒 Amazon売れ筋ランキングをチェック野球の統計指標である「出塁率(OBP: On-Base Percentage)」の計算式を思い浮かべると分かりやすくなります。出塁率は「(安打 + 四球 + 死球)÷(打数 + 四球 + 死球 + 犠飛)」で算出されます。この計算式の中には「エラーによる出塁」は含まれていません。
エラーはあくまで「守備側のミス」であり、打者の打撃技術や選球眼によって勝ち取った結果ではないとみなされるためです。もしエラーを出塁に含めてしまうと、相手チームの守備力が低い場合に打者の評価(出塁率)が不当に上がってしまうことになります。記録の客観性を保つため、MLBを含む公認野球規則では、エラーによる出塁は「アウトと同等の結果(打数に含まれるが安打ではない)」として扱われます。
連続試合出塁記録(Consecutive-Game On-Base Streaks)については、MLBの公式規則9.22(f)に詳細な規定があります。ここでも、記録が認められるのは「安打、四球、または死球によって出塁した場合のみ」と明記されています。
エラーと同様に誤解されやすいのが野手選択です。例えば、ランナー一塁の場面で打者がゴロを打ち、二塁で一塁ランナーがアウトになったものの、打者走者は一塁に生き残った場合です。この場合も、打者は物理的には一塁にいますが、記録上は「出塁」とは認められず、他に安打等がなければ連続試合出塁記録は終了します。
捕手のミットがバットに当たるなどの「打撃妨害」で出塁した場合も、実は連続試合出塁の対象外です。これらは「打者の打撃結果」ではなく「守備側の反則」による進塁とみなされるため、エラーと同様の扱いとなります。
第3ストライクを捕手が後逸し、打者が一塁に駆け込む「振り逃げ」も、記録上は「三振」または「暴投・捕逸による進塁」であり、安打には含まれません。したがって、振り逃げでの出塁も記録継続の条件を満たしません。
大谷翔平選手は、その驚異的な選球眼と高い打率により、これまで何度も長い連続試合出塁記録を樹立してきました。過去のMLBの歴史を見渡せば、テッド・ウィリアムズ氏が持つ「84試合連続出塁」という不滅の記録が存在します。
現代の野球において、大谷選手のような強打者は常に四球を攻められるため、出塁の機会自体は多いと言えます。しかし、エラーによる出塁が記録に含まれないという厳格なルールの下では、たとえ全打席でバットにボールを当てたとしても、相手の好守や不運なエラー出塁が続けば記録は止まってしまいます。この「運に左右されない真の実力」が求められる点こそが、記録の価値を高めていると言えるでしょう。
現時点(2026年4月)での大谷選手の具体的な最新の連続記録については、毎試合の公式スコアラーの判断により確定されますが、これまでのキャリアにおいて、エラーで出塁した試合で他にヒットが出ず、記録が途切れるというケースは実際に発生しています。
読者の皆様からよくいただく質問に、「エラーで出塁しても、その後に得点したらどうなるのか?」というものがあります。
答えは、「得点しても出塁記録には影響しない」です。たとえエラーで出塁し、その後ホームに帰って得点を記録したとしても、その打席の結果自体が「失策」であることに変わりはないため、出塁記録は更新されません。
また、公式スコアラーの判定は試合終了後24時間以内に変更される可能性があることにも注意が必要です。最初は「ヒット」と判定されていたものが、後から精査されて「エラー」に訂正されることがあります。この場合、速報値では連続出塁が継続しているように見えても、正式な記録では「途切れた」ことになるケースがあります。ファンの皆様は、MLB公式サイトの「Official Scorer’s Decision」(公式記録員の裁定)を最終確認することをお勧めします。
大谷翔平選手の活躍を追う中で、ルールを正しく理解することは、記録の凄さをより深く実感することに繋がります。
1. エラーによる出塁は、連続試合出塁記録には含まれない。
2. 記録継続に必要なのは「安打」「四球」「死球」のいずれかである。
3. フィルダースチョイスや打撃妨害、振り逃げも記録上は出塁とみなされない。
このように、非常に厳しい条件をクリアし続けているからこそ、イチロー氏や大谷選手が打ち立てる記録には重みがあるのです。2026年シーズンも、大谷選手がどのようにしてこの厳しい条件を突破し、新たな伝説を作っていくのか。その一打席一打席を、正確な知識と共に楽しんでいきましょう。
なお、特定の試合における個別の判定については、球場ごとの公式記録員の裁量に委ねられる部分もあり、現時点では詳細不明なケースも稀に存在しますが、基本原則は本記事で述べた通りです。