WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)での侍ジャパンの快進撃、素晴らしいですね!台湾戦での圧勝劇を見て、「なぜあんなに強いのに、直前の強化試合では国内チームに負けたり接戦だったりしたんだろう?」と不思議に思った方も多いのではないでしょうか。
対戦相手だった台湾は世界ランキング2位。一方で、強化試合の相手は日本のプロ野球(NPB)の若手や控えを中心としたメンバー。一見すると矛盾しているように見えるこの現象には、野球というスポーツ特有の理由や、日本プロ野球の驚異的なレベルの高さが隠されています。
この記事では、野球ファンの疑問を解消するために、強化試合と本番の違い、そして世界ランキングの仕組みについて詳しく解説します。
まず大前提として、大会前に行われる強化試合(エキシビションマッチ)において、日本代表チームは「勝つこと」を最優先事項としていません。主な目的は以下の通りです。
対して、対戦相手となるNPBの球団側(ソフトバンクや中日など)は、「代表選手相手に自分たちの力をアピールしたい」という若手選手が全力で挑んできます。結果として、調整段階の代表チームが、全力で向かってくる国内チームに足元をすくわれることは決して珍しいことではありません。
質問者様が感じた「台湾(世界2位)よりも日本の球団のほうが強いのではないか?」という推測は、実はプロの視点で見れば非常に鋭い指摘です。
日本のプロ野球は、メジャーリーグ(MLB)に次いで世界で2番目にレベルが高いリーグと言われています。WBCに選ばれるのはその中のトップ20〜30人ですが、選ばれなかった選手たちも、他国の代表チームに入ればエースやクリーンナップを務められる実力者がゴロゴロいます。
特に「投手力」に関しては、NPBの各球団の主力級であれば、台湾代表の打線を抑え込む力は十分に持っています。つまり、侍ジャパンが苦戦した「国内球団」は、世界ランキングに換算すればトップ5に入ってもおかしくないほどの実力を持っているのです。
ここで、台湾が「世界ランキング2位」である理由を整理しましょう。このランキング(WBSCランキング)は、実はプロのトップチームだけの強さを示すものではありません。
したがって、「世界2位の台湾に勝ったから、それより苦戦した国内球団はもっと強い」というのは、プロの戦力バランスから見ればある意味で「正解」なのです。
質問者様が仰った「時差が抜けきれていなかった」という点も、強化試合で苦戦した大きな要因の一つです。
大谷翔平選手やダルビッシュ有選手、ヌートバー選手などのメジャー組は、アメリカでのキャンプやオープン戦を経て日本に帰国します。激しい移動と時差の中ですぐに試合に出場するため、強化試合の時点では体が重く、本来のパフォーマンスが出せていないことが多々あります。
また、メジャーリーガーは契約の関係上、大会直前まで強化試合に出場できないといった制約もあり、チーム全体の歯車が噛み合うまでに時間がかかるのです。台湾戦での圧勝は、ようやく彼らのコンディションが整い、チームとしての一体感が生まれた結果と言えます。
最後に、本番と練習試合の決定的な違いは「データの量」と「集中力」です。
WBCの本番ともなれば、スコアラーが徹底的に相手打者の弱点を分析し、投手陣はその指示通りに針の穴を通すようなピッチングをします。打者も1打席の重みが違うため、集中力が極限まで高まります。
強化試合では、相手を抑えることよりも「自分のボールを投げること」に主眼を置いているため、打たれることも織り込み済みです。しかし、本番では1点もやらない姿勢で挑むため、台湾戦のような圧倒的なスコア差が生まれるのです。
侍ジャパンが強化試合で苦戦したのは、「日本のプロ野球自体のレベルが高すぎること」と「本番に向けた入念な準備(調整)段階だったこと」が理由です。そして、本番で見せた圧勝劇こそが、本来の日本の実力です。
台湾も素晴らしいチームですが、日本のプロ野球の底力は、代表選手以外も含めて世界的に見て突出しています。これからも、世界最強を目指す侍ジャパンを応援していきましょう!