定年退職後の健康保険制度は非常に複雑です。特に、これまでの「任意継続」が満了するタイミングと、ご自身の就労状況、さらには家庭環境の変化が重なると、「結局どこに加入すればいいの?」と迷われるのも無理はありません。
本記事では、2026年2月現在の最新制度に基づき、夫が妻の社会保険の扶養に入れる条件や、離婚を控えている場合の最適な選択肢、そして具体的な手続き方法についてプロの視点から詳しく解説します。
結論から申し上げますと、ご主人が一定の条件を満たしていれば、奥様のパート先の社会保険(健康保険)の「被扶養者」になることが可能です。この場合、ご主人は国民健康保険料を支払う必要はありません。
ご主人が奥様の扶養に入るためには、主に以下の条件をすべて満たす必要があります。
ご主人は定年退職後とのことですので、恐らく60歳を超えていらっしゃるかと思います。その場合、「年収180万円未満」が大きな目安となります。ここでいう「収入」には、公的年金(老齢年金、企業年金など)も含まれる点に注意してください。
ご質問の中で最も重要なポイントは「あと数ヶ月で離婚が決まっている」という点です。この場合、以下の2つの選択肢が考えられます。
たとえ数ヶ月後に離婚することが決まっていても、現時点で法的婚姻関係があり、収入条件を満たしているなら扶養に入れることは可能です。
メリット:離婚までの数ヶ月間、ご主人の健康保険料が「実質無料(奥様の給与天引き額も増えません)」になります。
デメリット:離婚が成立した瞬間に扶養から外れる手続きが必要となり、その後にご主人がご自身で国民健康保険に加入する手間が発生します。
手続きの煩雑さを避けたい場合や、感情的な面で扶養に入れたくない場合は、最初から国民健康保険に加入するという道もあります。
メリット:離婚時の健康保険関係の手続きがスムーズです。
デメリット:ご主人の収入(前年の所得)に基づいた国民健康保険料を支払わなければなりません。
【アドバイス】
経済的なメリットだけを考えれば、数ヶ月間だけでも「扶養」に入れる方が世帯全体の支出は抑えられます。しかし、パート先(会社)に「夫を扶養に入れる」という申請を出し、その数ヶ月後に「離婚したので外す」という手続きを行うことになります。職場に離婚の事実を知られたくない場合は、注意が必要です。
状況に応じて、手続きを行う場所が異なります。どちらの道を選ぶかによって、以下の通り対応してください。
離婚が成立した後は、必ず以下の手続きが必要になります。
【注意!】
離婚後にご主人が手続きを怠ると、無保険状態になってしまいます。また、手続きが遅れても保険料は遡って請求されるため、早めの対応が肝心です。
2026年現在、健康保険証はマイナ保険証(マイナンバーカードの保険証利用)が完全に定着しています。
切り替えの手続きさえ会社や役所側で完了すれば、新しい保険証が手元に届くのを待たずとも、マイナンバーカードを提示することで医療機関の受診が可能です。ただし、「手続きの申請」そのものが完了していないと情報は更新されませんので、期限内に必ず届け出を行いましょう。
今回のケースでは、以下の判断基準でお決めになるのがベストです。
まずはご主人の昨年の年金受給額やその他の収入を確認し、扶養の条件を満たしているかチェックしてみてください。その上で、離婚までの期間の保険料と、会社への説明の手間を天秤にかけて判断されることをお勧めします。