2026年に入り、金(ゴールド)価格が歴史的な暴騰を見せています。国内価格はついに1グラムあたりの大台を大きく突破し、世界的な指標であるニューヨーク金先物相場も過去最高値を連日のように塗り替える異例の事態となっています。
「なぜ、今ここまで金が上がっているのか?」「この上昇はいつまで続くのか?」と疑問に感じている方も多いでしょう。本記事では、プロのファクトチェッカーの視点から、2026年2月10日現在の最新情勢に基づき、金が暴騰した背景にある5つの決定的な理由を詳しく解説します。
金価格に最も大きな影響を与える要因の一つが、米国の金利動向です。2026年現在、米国経済は長期間続いた高金利政策からの完全な脱却、いわゆる「利下げサイクル」の真っ只中にあります。
金は持っているだけでは利息や配当を生みません。そのため、金利が高い時期には敬遠される傾向にあります。しかし、2025年から2026年にかけてFRBが段階的な利下げを断行したことで、米ドル預金や債券の魅力が相対的に低下しました。その結果、投資家の資金が「安全資産であり、かつ価値が減りにくい金」へと一気に流れ込んだのです。
利下げは米ドル安を招きます。国際的な金取引は米ドル建てで行われるため、ドルの価値が下がると、相対的に金の価格は上昇します。2026年初頭のドル安傾向が、金価格を押し上げる強力なブースターとなっています。
2024年以降、顕著になっていた世界各国の「脱ドル化」の動きが、2026年に至って決定的なものとなっています。特にBRICS諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)に加え、新たに加盟した中東諸国の中央銀行による「金準備(ゴールドリザーブ)」の積み増しが止まりません。
中国人民銀行は外貨準備における米ドルの比率を下げ、金へのシフトを加速させています。また、インドの個人需要も経済成長に伴って堅調であり、これら大国の買い需要が価格の底値を強力に支え、暴騰の土台を作っています。中央銀行という「巨大な買い手」が市場に居座っていることが、価格が下がりにくい構造を生み出しています。
2026年現在、世界情勢はかつてないほど不安定な状況が続いています。ウクライナ情勢の長期化に加え、中東地域における地政学的な火種は絶えず、アジア圏における緊張感も高まっています。
歴史的に、戦争や紛争が勃発すると「有事の金」として需要が急増します。2026年の金価格暴騰は、単なる短期的なパニック買いではなく、「既存の国際秩序が揺らいでいることへのヘッジ(保険)」としての側面が強くなっています。通貨や株券が紙屑になるリスクがある中で、現物としての価値を持つ金は、富裕層から一般市民まで幅広い層の資産防衛手段となっています。
米国の国家債務は2026年に入り、天文学的な数字に達しています。債務上限問題を巡る政治的な混乱が繰り返される中で、米ドルの信用力そのものに疑問符を投げかける投資家が増えています。
また、2024年から2025年にかけて落ち着きを見せるかに思われたインフレが、2026年に入り、供給網の再編や人件費の高騰により「粘着質」な形で残っています。貨幣の価値が目減りし続ける中で、「インフレに強い資産」としての金の立ち位置が再評価されています。政府による過剰な通貨発行が、相対的に発行量に限りがある金の希少性を際立たせているのです。
日本の読者にとって無視できないのが、為替の影響です。2026年2月現在、一時的な円高局面はあるものの、日米の金利差や日本の経常収支の構造的変化により、長期的な円安トレンドが定着しています。
「ドル建て金価格の上昇」+「円安の継続」+「地政学リスク」という3つの要因が重なる「トリプル高」の状態が続いています。これにより、日本の国内金小売価格は2024年時点の予想を遥かに上回るペースで上昇しました。10,000円を超えた際の驚きは過去のものとなり、今や新たなステージへと突入しています。メディアが連日「最高値更新」を報じることで、これまで金に興味がなかった層までが買いに走る「バンドワゴン効果」も観測されています。
多くの専門家は、2026年後半にかけても金価格は高水準を維持すると予測しています。もちろん、短期的には利益確定売りによる調整(下落)は避けられませんが、以下の要因が続く限り、大きなトレンドは変わらないと考えられます。
2026年2月の金暴騰は、単なる一時的なブームではありません。それは、「米ドル一強時代の終焉」「地政学的リスクの日常化」「インフレ経済への構造変化」という、世界経済のパラダイムシフトを反映した結果と言えます。
投資として考えるのであれば、高値圏での「飛び乗り買い」には注意が必要ですが、資産の一部を「守りの資産」として金で保有する重要性は、かつてないほど高まっています。最新の価格情報や国際ニュースを注視し、冷静な判断を心がけましょう。
※本記事は2026年2月10日時点の情報に基づいています。投資判断は自己責任でお願いいたします。