2026年1月の共通テスト本番(新課程2年目)から約1ヶ月。高2生の皆さんは、1月の「共通テスト同日体験受験」と、2月に実施された「進研模試(駿台・ベネッセ共通テスト模試)」の両方を終えた時期かと思います。
そんな中、多くの受験生から「本物の共通テスト(同日)よりも、進研模試の方が解きにくく感じた」「国語と情報以外、進研模試の方が点数が安定しない」という声が上がっています。一見、本番の方が難しいはずなのに、なぜ模試の方が「やりにくい」と感じるのでしょうか?
今回は、プロのファクトチェッカーの視点から、2026年度最新の入試傾向を踏まえ、その違和感の正体を徹底解説します。
共通テスト本番(同日体験)と進研模試では、問題作成のプロセスと目的が根本的に異なります。あなたが感じた「やりにくさ」は、感覚的なものではなく、以下の明確な理由があります。
大学入試センターが作成する共通テスト本番の問題は、2年以上の歳月をかけ、数十人の専門家が何度も検証を重ねて作成されます。一方、進研模試などの民間模試は、短期間で大量の問題を制作する必要があります。
本番の問題は「思考力を問うが、論理的欠陥がない」のに対し、模試の問題は時に「ひねりすぎて不自然な設定」や「計算量だけで難易度を調整している」ケースが見受けられます。この「問題の質の硬さ」が、優秀な層ほど「やりにくさ(違和感)」として現れるのです。
高2のこの時期の進研模試は、まだ全範囲を網羅していない受験生に配慮しつつも、差をつけるために「重箱の隅をつつくような知識」や「典型的な解法パターンを無理やり組み合わせた問題」が出題される傾向があります。
対して共通テスト本番は、日常生活や実験を題材にした「初見の資料を読み解く力」を重視します。数学や英語で、教科書的な解法に慣れている人ほど、本番の「読解重視」よりも模試の「処理量重視」に苦戦することがあります。
2025年度の新課程1年目を経て、2026年度の本番は「難易度の安定」が図られました。しかし、模試業者は前年度の平均点の変動に過敏に反応するため、「前年が易化した科目は難しく、難化した科目は易しく」という極端な調整をかけることがあります。この「業者の予測」と「実際の難易度」の乖離が、解きにくさを生む要因です。
質問者様が「国語と情報以外はやりにくかった」と感じた点には、非常に鋭い洞察が含まれています。これには明確な理由があります。
2025年度から導入された国語の「第3問(実用的な文章)」。2026年度本番でも、複数の資料を統合して読解する高度な能力が求められました。進研模試の国語は、本番に比べて「文章の論理構成が直線的」で、選択肢の根拠が見つけやすい傾向にあります。本番の国語にある「特有の抽象度」が低いため、進研模試の方が素直に解けたと感じたはずです。
情報Ⅰは新課程の目玉ですが、共通テスト本番は「プログラミング(DNCL)」や「論理回路」において、かなり深い思考力を要求します。
一方、進研模試の情報Ⅰは、まだ過去問のストックが少ないため、教科書レベルの用語確認や単純な計算問題の比重が高くなりがちです。そのため、プログラミング的思考に慣れていない段階では、知識重視の模試の方が「解きやすい」と感じるのが一般的です。
国語・情報以外で感じた「やりにくさ」を具体的に見ていきましょう。
共通テスト本番の数学は、問題文が長く「何を解かされているのか」を理解するのに時間がかかります。対して進研模試は、設定はシンプルでも「計算過程が非常に煩雑」であることが多いです。数学が得意な人ほど、本番のパズル的な要素は楽しめても、模試の「ただただ面倒な計算」にはストレスを感じ、ミスを誘発しやすくなります。
英語(リーディング)に関しては、本番は「情報のスキャニング」が主眼です。進研模試は、本番よりも「少し難易度の高い英単語」を混ぜたり、「本文と選択肢の言い換えをわざとらしく」したりする傾向があります。本番のスピード感に慣れようとしている段階では、この「模試特有のひねり」がノイズに感じられます。
「模試がやりにくかった」という感想で終わらせてはもったいありません。2027年1月の本番(皆さんの本番)に向けて、以下の3点を意識してください。
結論として、「進研模試の方がやりにくい」と感じたあなたの感覚は、プロの目から見ても非常に正常です。それは、あなたが共通テスト本番の「思考の型」を理解し始めているからこそ感じる違和感です。
進研模試で思うような点数が出なくても、同日体験で手応えを感じているのであれば、今の学習方針は間違っていません。模試を「基礎固めのチェック」、過去問(同日)を「実戦の指針」として使い分け、新課程2年目の荒波を乗り越えていきましょう!