近年、人気アニメ作品の最新映画やエピソードが違法アップロードされ、それを視聴・販売・共有する行為がネット上で横行しています。
その中でも話題となっているのが、鬼滅の刃「無限城編」の違法視聴やダウンロード、さらには販売まで行っているというケースです。
この記事では、そういった行為が実際にどのような法律に触れるのか、どのような罪に問われる可能性があるのか、そしてそのような行為を目にした一般ユーザーがどうすれば良いのかを、分かりやすく解説していきます。
また、間違って違法視聴してしまった場合の対応策についても触れていきます。
違法アップロードされた映画の視聴は犯罪にあたるのか?
まず結論から言うと、違法アップロードされた映画を「視聴するだけ」では原則として刑罰の対象にはなりません。
しかし、それが「明らかに違法」と分かっていた上での視聴であった場合や、特定の違法サイト(海賊版サイト)を通じて継続的に視聴する行為は、著作権法の精神に反する行為とされる可能性があります。
特にストリーミング視聴であっても、一時的にデバイスにデータが保存される「キャッシュ」により、「複製」とみなされるリスクがあるという議論もあります。
また、悪質なケースでは今後の法改正により、視聴者側にも罰則が設けられる可能性もあります。
現時点ではグレーゾーンとはいえ、道義的責任を問われることは十分にあり得ます。
ダウンロードは明確な著作権侵害に該当
違法にアップロードされた作品をダウンロードする行為は、著作権法第30条の2に基づき、明確に違法行為とされています。
これは「違法にアップロードされたコンテンツと知りながらダウンロードする行為」が禁止されており、個人での私的利用であっても違反となります。
2021年の法改正により、違法ダウンロードの対象は映画や音楽だけでなく、漫画・雑誌・書籍など幅広く拡大されました。
これにより、アニメ映画である鬼滅の刃無限城編も、違法アップロードされたものをダウンロードした時点でアウトです。
違反者には2年以下の懲役または200万円以下の罰金、もしくはその両方が科される可能性があります。
違法アップロードと販売はさらに重い罪に問われる
「販売」や「アップロード」を行う行為は、単なる違法視聴とは次元が異なります。
これは著作権法違反の中でも特に悪質とみなされ、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金、またはその両方が科されることになります。
さらに「販売」や「転売」行為には、不正競争防止法や刑法の詐欺罪が適用される可能性もあり、刑事責任だけでなく民事でも損害賠償請求を受けることになります。
仮に金銭のやりとりが発生していなくても、「不特定多数に向けて公開する」という行為そのものが違法です。
SNSでの拡散やLINEなどのクローズドなグループでの共有もリスクとなります。
見ていない人がとるべき対応は?通報と距離を置くことが重要
質問者のように「自分は見ていないが、違法視聴や販売をしている人が周りにいる」という場合、まずすべきことは「関与しないこと」です。
仮にその人が逮捕された場合、メッセージの履歴ややり取りから「関与者」として疑われる可能性もあるため、関係性を明確に線引きしておくことが重要です。
また、あまりにも悪質であったり、組織的に販売・拡散を行っている場合には、文化庁や警察庁、あるいは権利者団体(JASRAC、CODAなど)への通報も検討すべきです。
善意であっても違法行為に加担してしまうリスクがあるため、「知っていて黙っている」だけでも問題となるケースがあります。

間違って見てしまった場合のリスクと対処法
「違法とは知らずに再生してしまった」などの場合は、基本的には著作権法違反に問われることはほとんどありません。
ただし、それが複数回にわたっていたり、意図的なダウンロードであった場合は別です。
万が一ダウンロードフォルダに残っている場合は、速やかに削除し、それ以降は正規ルート(公式配信、映画館、ブルーレイなど)で視聴することをおすすめします。
また、悪質な広告やウイルスに感染してしまったケースでは、セキュリティチェックも行っておくと安心です。
重要なのは「今後一切そういったサイトにはアクセスしない」という姿勢を明確にすることです。


まとめ:違法視聴や販売は重大な犯罪、関与しない意識を持とう
鬼滅の刃無限城編のような大人気コンテンツは、違法アップロードの標的になりやすく、それに関与する行為はすべて著作権法に違反する可能性があります。
視聴だけであってもグレーゾーン、ダウンロードや販売行為は完全にアウトです。
法律的にも社会的にも重大な責任が問われる可能性があるため、絶対に関与しないことが大切です。
自分が関係ない場合でも、通報や距離を取ることが今できる最善の行動です。
ネットの便利さと裏腹に、正しい知識とモラルを持つことが、トラブルを避ける最大の防御策となります。
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